フォルクスワーゲン(VW)排ガス規制問題で株価暴落 為替相場への影響を解説
最終更新日: 2015-9-24
株式の変動と為替相場への影響
ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の米排ガス規制問題が大きな話題になっていますね。
世界一・二をトヨタと争うVW。何と1,100万台が対象と一大スキャンダルとなり、株価は暴落。ドイツ最大クラスの企業の不正ですし、信頼感そのものを揺るがす騒動。 ウィンターコルン社長、責任を取って辞任を発表しました。( ・`ω・´)キリッ
ちょうど発表されたドイツの総合PMIは54.3と8月の55.0から低下。今後、ドイツ経済はフォルクスワーゲンスキャンダルと中国景気悪化の影響がどのように出てくるかに注目が集まります。
中国PMIは悪化
そして、市場が注目していた中国の9月製造業PMI速報値は47.0と6年半ぶり低水準へと落ち込みました。フランスの発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)改定値は速報値と同じ前期比ゼロ成長。
訪米中の中国の習近平国家主席は、中国の株式市場が「自律回復と自律調整の段階」だと発言しました。欧米の考えとしては、あまりにもあからさまに市場を政府が支えても、売り圧力に耐え切れずに崩壊してしまうとの考えがあって、自律回復を促す方向に進めたいのでしょうね。
ここまで悪材料が揃ってしまうと心配です。世界の株式相場にとってマイナス材料が揃ってしまいました。少しリスク相場になりそうです。
注 PMIとは(Purchasing Managers's Index)の略。景気の動向を判断するための指数になります。
利上げ見送りは好判断
この状況を見ると、FRBのイエレン議長が利上げを思いとどまってくれてよかったと思います。もし利上げをしていたら、結構、大変なことになっていたのではないでしょうか。世界同時株安どころか同時暴落レベルまで起きていたかもしれません。(>_<)
FRBの義務は、基本、米国経済のみ。世界経済がどうなろうと米国重視というのが基本的なスタンス。にもかかわらず、中国そして世界経済に配慮して利上げを思いとどまってくれましたね。次回10月についても、何が何でも利上げすべしというスタンスではなく経済状況を見ながら臨機応変に決めてくれるでしょう。
ECBのドラギ総裁は、追加緩和を行うかどうかを判断するには時期尚早と話しています。まだ、これは先の話ですね。これから、難民問題・中国問題などふくめてユーロ圏の景気やデフレがどうなるか見ていくことになります。
日本はシルバーウィークでずっとお休みだったのもあり、米ドル/円に大きな動きはありません。
今週は、トヨタ・日産など自動車会社の株式の動きに注意しましょう。米国がフォルクスワーゲンに課する制裁の程度次第で、フォルクスワーゲンはもちろん、他の自動車会社にも影響を及ぼします。それに、フォルクスワーゲン以外の自動車会社は、本当に大丈夫?という疑問が、今、世の中を駆け巡っているはずなので。( ・`ω・´)キリッ