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パナマ文書が新たなリスク要因

昨日の記事でも書きましたが4月に入ってから円買いが進んでいます。「なぜ今、円高になるのですか？」といった内容の質問を読者の方から頂きました。先日の安倍首相の為替市場の介入に慎重体制という報道の他に「パナマ文書」という大きな円高要因があります。今回はパナマ文書の影響について解説します。

今週最大の話題は「パナマ文書」ではないでしょうか。日本のメディアではスポンサーを気遣ってか、あまり報道されませんが世界中で大騒ぎ。ジャーナリストが文書を発表したのが2016年4月3日です。

そこからわずか2日後の5日に、アイスランドのグンロイグソン首相が資産隠しを行っていたとの疑いで辞任しています。

パナマ文書公開とともに円高か進みついに107円台に突入しました。米利上げ動向を含めて世界中でリスク回避の円買いが起こっているのがわかります。

モラルやフェアこそが問題の本質

パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から顧客データが流出したのが今回の発端ですが、そもそもタックスヘイブン（租税回避地）の利用自体は合法です。そのためこの顧客データに名前が載っている＝容疑者ではないのでご注意ください(　･`ω･´)ｷﾘｯ

ただし、タックスヘイブンを利用するというのは税金を安くしたい・払いたくないというニーズがあってこそ。国民に税金の支払い義務を力説している政治家がタックスヘイブンでグレーな税金逃れをしていてはフェアではありません。

道路や水道など社会インフラ整備は税金で行われます。雇っている従業員にも社会保障費用がかかります。富裕層は国のお金はたくさん利用しておきながら資産はタックスヘイブンへ逃がすと言うのではこれまた不公平。

グローバル化でお金は国境を超えるのに国家はよその国に手を突っ込めない。多国籍企業・富裕層は自分に有利な制度を持つ国に本拠や本社を置けば節税できる＝合法ですがフェアなのか？という問題。

さらに、テロ資金をはじめとした怪しいお金の流れもたくさん隠されているとの話で、騒動は簡単には収まりそうにありません(´×ω×`)

FX（為替相場）への影響

あまりにもデータ量が大きいために公開された解析結果はまだ一部。今後公開される情報によっては何が起きるかは分かりません。新興国で政権が倒れるのか。タックスヘイブンを禁止する方向に世界が動くのか。

多くの企業がタックスヘイブンを利用していて、知られたくないこともあるのではと言われていますし、企業活動に影響がありそうです。マネーロンダリングや脱税に関わっているとなったら罰金や営業停止などが科せられるかもしれません。そうするとどうなるでしょうか。

当然、グローバルな企業活動にはマイナスに働きます。つまり、まだ全貌がわからない事そのものがリスクなんです。リーマン・ショックで市場が混乱したのもサブプライムローンが及ぼす影響が未知数だったために株価の暴落が加速しました。

そういう時は、安全資産にお金は向かいます。そう、リスク回避の動きですね。つまり、日本円が買われやすくなります。

パナマ文書問題はモラルやフェアという倫理が絡んでいるので今後の動向から目が離せません。リスク回避の円高要因として注目すべきです(　･`ω･´)ｷﾘｯ

2月に日銀がマイナス金利を発表して円高になった理由についてもあわせてご覧ください↓

最近の円高の大きな要因をまとめると、

• 原油安による世界経済の悪化（株安）が進んでいる
• 世界経済の悪化による米利上げに不安が広まっている
• 安倍晋三首相が米紙のインタビューで為替介入に慎重な姿勢を示した
• パナマ文書問題によるリスク回避

こんなところでしょうか、どれも円高に拍車がかかるようなものばかりですね。今後もこれらの情報に注意しましょう（๑´ω`๑）♡

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