政策金利40%!アルゼンチンの現状とデフォルトの可能性を考えてみた
最終更新日: 2018-5-12
アルゼンチンの政策金利が40%に
ちょうどゴールデンウィーク中に、アルゼンチンが政策金利を40%まで急遽上げました。
為替にそこまで詳しい人でなくても「金利40%ってなにごと?」とビックリしたと思います(´×ω×`)
これを受けてアルゼンチンの通貨であるペソは、大暴落しています。
チャートが上昇するほど、ドル高ペソ安となるので5月に入ってから大幅にペソ安となっているのが分かると思います。
これは一向に止まる気配のない通貨安を止めるために、アルゼンチン中央銀行(BCRA)が緊急で行ったものでした。
アルゼンチンと言えばFXトレーダーにはデフォルトのイメージが付いて回りますが、現在話題になっているアルゼンチンの行方と現実になれば8回目となるデフォルトの可能性について書きます(✻´ν`✻)
8日間のうちに3回の利上げ
なぜ今回アルゼンチンがここまで話題になっているのか?というと、40%という大幅な政策金利とその期間です。
私のブログでもアメリカの利上げについて度々書いてきましたが、為替や経済に大きな影響を与えないように徐々に利上げをしていくのが一般的です。
アメリカも2015年12月に9年半ぶりに利上げをしてから、アメリカ経済の様子を見て徐々に政策金利目標を上げています。
ところがアルゼンチンは4月27日(金)から8日間で3回の利上げを行い、一気に40%まで引き上げた訳です(´×ω×`)
なぜアルゼンチンは利上げをする必要があったのか?
アルゼンチンペソは、昨年末あたりから対ドルでじわじわと売られてきました。その背景には、アルゼンチンの経常収支の大幅赤字があります。
日本の2017年経常収支は、21兆7362億円の黒字でした。「国の借金は、いっぱいあるのに黒字?」と勘違いしそうになりますが、経常収支は対外国に対する日本の黒字という意味です。
一方アルゼンチンの2017年経常収支は、マイナス300億ドルです。単純計算でも3兆円の赤字だったことになります(´;ω;`)
アルゼンチンの体制を全て説明するのには20世紀の初頭まで遡らなければいけないので割愛しますが、経済運営の資金を外国に頼らなければいけない国だと分かりますね。
2018年4月からのドル高もペソ安要因の1つ
この状態は、アルゼンチンだけのせいではありません。アメリカの長期金利が3%台を行き来している中で、世界的に新興国通貨は対ドルで売られています。
ドル円も円安ドル高に動いていますが、ドルが強すぎるというのも困ったものです(´×ω×`)
新興国からドルに資産が流入している
アルゼンチンペソは、FXでいうマイナー通貨です。対するドルや円などのメジャー通貨は取引量も多く、信頼度も高いです。
誰だって信頼の低い通貨よりも、信頼の高い通貨を持っていたいと思いますよね?それが現状だとドルになります( ・`ω・´)キリッ
そんなペソ売りに歯止めをかけるために、アルゼンチン中央銀行(BCRA)がとった策が利上げだったんです。
アルゼンチンの8回目のデフォルトはあるのか?
政策金利が40%に引き上げられた5月4日以降もペソ安が進んでいることから、市場では「その場限りの策」と見透かされている感が否めません。
それとドルの強さは変わらず、ドル円相場も110円台までドル高が進みそうな勢いですね。
もし今回デフォルト(債務不履行)となれば、4年ぶり8回目のデフォルトとなります。現在ベネズエラとならんで一番デフォルト回数が多い国なので、単独のワースト1位になりますね(´;ω;`)
アルゼンチン中央銀行(BCRA)は、利上げ後の声明で「利用可能なあらゆる手段を講じる」「必要に応じて再度行動する用意がある」とさらなる追加利上げも示唆しました。
「なんとしてもデフォルトを阻止しよう」という意思が感じられます。ここまで来たらまだ追加利上げをしてもおかしくないですからね(´×ω×`)
アルゼンチンがもしデフォルトになったら…
アルゼンチンがデフォルトになったら世界経済に対して、何もプラスはありません。
世界的にリスクオフの動きとなり、新興国通貨安を引き起こします。そうなると更なるデフォルト国家を生みかねません。
それなれば世界恐慌にまで発展する可能性さえあります。負の連鎖が始まります(´×ω×`)
最悪のパターンを想定した場合なので少し言い過ぎましたが、私たちトレーダーにも無関係ではない訳です( ・`ω・´)キリッ
こういった時に面白半分でペソのトレードを始めると、急な暴騰・暴落に巻き込まれる可能性が大なので情報をチェックしながらいつものトレードを徹底しましょう(✻´ν`✻)