今さら聞けない!イギリスのEU離脱(ブレグジット)が為替に与える影響
最終更新日: 2019-3-15
1分でわかるこの記事の内容
- ブレグジット延期要請へ!英下院が可決
- 今さら聞けない「ブレグジットって何?」
- ブレグジットの歴史 2016~2019年
- ブレグジットの鍵となっているバックストップ問題
- 離脱は6月30日まで延期になるのか?
ブレグジット延期要請へ!英下院が可決
3月14日(木)に「EU(欧州連合)からの離脱を3か月以上延期させるか?」の採決が英下院で行われました。
当初の期限は、今月末の3月29日(金)でしたね。
しかし期限まであと2週間となっても「どうやってEUを離脱するか?」がイギリス国内でまとまっていないため、ひとまず猶予がほしいとEUへ要請するための採決です。
離脱延期の採決は、413対202で可決されました。
EU側でも加盟国(全28ヵ国)の承認が必要
しかしイギリス側が「延期しまーす!」と表明したところで、EU側が「はい。そうですか」と簡単にはいきません。
ブレグジットの期日は、法律で定められたものです。正式に延期にするには、EU加盟国他27ヵ国の承認が必要なんですね(´×ω×`)
これは来週3月21日(木)・22日(金)で行われるEU首脳会議で採決が行われます。
さらに条件付きの部分もありますが、それはあとで解説します。
イギリスのEU離脱(ブレグジット)は、数年に渡って為替にも影響しています。「まだ離脱していないの?」と思った方もいるかもしれませんね(´×ω×`)
まだブレグジットは、新しくFXを始めた人にとって分かりづらいニュースだと思います。
本日は、今さら聞けない「ブレグジット」をFX初心者さんでもわかるように1から解説します!
今さら聞けない「ブレグジットって何?」
私のブログでもブレグジットについて、何度か記事を書いてきました。
すでに21件の記事に内容が含まれています↓
まずはブレグジットのはじまりから復習しましょう!
ブレグジットとは造語
今では当たり前のようにメディアもブレグジットと言っていますが、Brexitとは「British と exit」が合わさってできた造語です。
なのでイギリスの(EUからの)離脱を指しています。アベノミクスと同じ混成語ですね。
なぜイギリスはEUを離脱したいのか?
ニュースではブレグジット難航のニュースが報道されるばかりで、あまり根幹の部分に触れません。
そもそもなぜイギリスは、「EUを離脱したい」と考えたのでしょうか?
簡単に言うとそれは「EUに加盟していることがバカらしくなった」からです。
EU内の貧困差と経済格差が問題
EUには、現在28カ国が属しています。有名なのはイギリス・ドイツ・スペイン・イタリアなどですね。
その中には、ギリシャのように貧困に悩まされている国も存在します。
EUは格差を埋めるために、ドイツやイギリスのように豊かな国からお金を吸い上げ、ギリシャやスペインような貧困国へ分配しています。
「EU加盟国なんだから当たり前でしょ?」と思うかもしれませんが、EU全体の経済黒字の割合は79%がドイツです。
残り21%が他27カ国ということですね。完全にドイツの一人勝ちです。
貧困国であるスペインやギリシャの高速道路は、ドイツやイギリスから出されたお金で作られています。
イギリスもドイツほどではないですが、経済状況が上の方の国です。そういった国からしたら「なんで自分たちの頑張った金が…」と面白くないですよね?
これに加えてEUは、ロビー活動が盛んなことも問題化しています。
EUのロビー活動によってできたバカげた法律
ただでさえイギリスからしたら面白くない状況なので、EUには変な法律がたくさんあります。
- 吸引力がすごすぎる掃除機は販売してはいけない
- デザートやスイーツになる野菜は果物である
- 曲がったバナナを売ってはいけない(撤廃)
- 長靴の使用方法を必ず明記しなければならない
- カタツムリは魚である
「なんだこれは?」と思ってしまうものばかりです。
なぜこんな変わった法律が多いかと言えば、EU関係者に各国の企業がロビー活動をしているからですね。
少なからず、この意味がわからない法律のおかげで得をする人たちがいます。簡単にいえば賄賂のようなものを受け取って、有利な法律を作ってきた訳です。
こんな利益を得る人たち以外は、こんな法律はただの足かせです。日本にもこんな法律があったら出ていきたくなりますよね?
ブレグジットの歴史 2016~2019年
もちろんイギリスにはEU残留派もいますが、上記のような理由からEU離脱へ向けて動き出した訳です。
近年になりブレグジットという言葉が造られ注目されるようになりましたが、離脱の動きはデーヴィッド・キャメロン前首相の時から存在しました。
度々スキャンダルに見舞われたデーヴィッド・キャメロン前首相
この記事では長くなってしまうので、2016年からの交渉を書いていきます。
2016年 イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票
そして2016年6月23日に「イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票」が行われました。
2016年当時の記事がこちら↓
その結果、51.8%で離脱が残留を上回りました。これによって本格的なブレグジットが決定しました。
イギリスとEU側での交渉が難航
イギリス国内での国民投票では離脱と決定したブレグジットですが、EUも黙っていません。
稼ぎ頭であるイギリスにただで抜けられたら、EUの存続が危ぶまれます。
また実際問題イギリスで暮らしている人が、離脱前と離脱後で暮らしが変わらないように関税や法律の調整など問題は山積みでした。
現メイ首相が何度も何度もEUと協議を繰り返して、現在に至ります。
ハードブレグジット懸念でイギリス国内でも反発が…
EUとの交渉が難航する中で、ハードブレグジット(合意なき離脱)の可能性も出てきました。
もしそうなった場合は、それこそイギリス国民の生活は以前よりも悪化する可能性が出てきます。
イギリス国内では「これじゃ話が違うじゃないか!」と反発する声も次第に増えてきました。
それでもメイ首相は、断固としてブレグジットの道を諦めてはいません。女性首相として応援したくなります(✻´ν`✻)
ブレグジットの鍵となっているバックストップ問題
いくら難航していると言っても国民投票からまもなく3年が経とうとしています。
当初の予定でも2年半のうちに離脱している状態でした。なぜこんなにも時間がかかっているのでしょうか?
それはブレグジットの鍵となっている「北アイルランドの国境(バックストップ)問題」です。
「バックストップ」イギリスの領土が問題を複雑化
イギリスは2つの島から成り立っています。西側に位置する北アイルランドもイギリスの一部なんですね。
バックストップについての詳しい解説はこちら↓
日本だと「国境を超えて商売する」という考えが少ないですから、理解が難しいかもしれません。
しかしこれまでは国境を超えて商売するのに税金がかからなかったのに「これからは手間も税金もかかる」と言われたら…私もブレグジットに反対するでしょう( ・`ω・´)キリッ
イギリス国民が求めているのは、今まで以上の生活です。ブレグジットによって、今までよりも辛い生活になっては意味がありません。
離脱は6月30日まで延期になるのか?
なぜイギリスが離脱したいのか?なぜ難航しているのか?ブレグジットの鍵について、理解できたと思います。
イギリスはEUにとっても、世界にとっても大きな存在です。
為替に与える影響は、どちらにしても大きなものになります。
ブレグジットの今後の展開は?
さて2019年3月現在に話を戻します。
イギリス側は、3月14日の採決で「離脱延期は、6月30日までの延期が望ましい」という意見でまとまりました。
一方EU側は、協定発効までに「より長い延長期間が必要だ」と示唆しています。
メイ首相は、3月20日(水)までにイギリス内で「具体的な離脱協定が承認されれば、3か月延長する」と条件を付けました。
ただこれはかなり厳しい観測です。どちらが折れるかはわかりませんが、3か月以上の延期になる可能性が強いですね。
そうなった場合、時間だけが過ぎて泥沼化する恐れが出てきますね。当初の期限は迫っているにも関わらず、問題は進展していません。
今年の5月末には、5年ごとに行われている欧州議会選挙が行われますが、離脱予定であるイギリスからも選出されるというなんとも奇妙な選挙になります(´×ω×`)
ポンドは目先のリスクオンに反応しやすい
ここで少しポンドドルチャートを見てみましょう。
ハードブレグジットか否かの採決が否決され、ポンドは年初来高値を更新しています。
問題の根本的な解決には至っていませんが、一時の安堵によって市場が反応していますね。
これは来週のEU首脳会議時も言えると思います。
問題は先送りにされているだけですが、人間は物事の根幹より目先の安心に飛びつきたくなるものです。トレーダー心理がよく表れています。
離脱も延期になる可能性は高く、今後も同じような展開が続きそうですね。
残された手は、国民投票のやり直しか内閣総辞職のどちらかですね。
2度目の国民投票の可能性もゼロではないので、今後もまだブレグジットの動向はチェックを続けるようにしましょう!
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