2007年~2008年の米利下げデータから「利下げによる為替への影響」を考えてみた
最終更新日: 2019-7-15
2019年7月に米利下げが行われれば10年ぶり
先週7月10日(水)・11日(木)に行われたFRB(連邦準備制度理事会)パウエル議長の議会証言で2019年7月末に行われるFOMC(連邦公開市場委員会)での利下げ実施が示唆されました。
もし今月のFOMCで利下げが実施となれば、2008年12月依頼のおよそ10年ぶりになります。
2008年と聞くと投資家が思い出すのがリーマン・ショックですよね?2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが倒産したので、ちょうどその年を最後に利下げは行われていません。
ここでアメリカの政策金利推移を長い年月で確認してみましょう!
「日本とアメリカは低金利」というイメージが強いですが、約70年前からの政策金利を見るとかなり変動していることがわかります。
今回私たちが知りたいのは為替への影響が主ですので、何十年も前のデータは除外します。
この記事では2007年~2008年に行われた米利下げによって、為替にどのような影響があったのかを解説します!
2007年~2008年の間で10回の利下げが行われた
直近といっても約10年前になりますが、2007年の9月から2008年12月にかけてアメリカの政策金利は10回に分けて利下げされました。
どれくらいの幅・スピードで利下げが行われたのかを確認してみましょう!
日時 | 利下げ幅 | 政策金利 |
---|---|---|
2007年9月18日 | -0.50% | 4.75% |
2007年10月31日 | -0.25% | 4.50% |
2007年12月11日 | -0.25% | 4.25% |
2008年1月22日 | -0.75% | 3.50% |
2008年1月30日 | -0.50% | 3.00% |
2008年3月18日 | -0.75% | 2.25% |
2008年4月30日 | -1.50% | 2.00% |
2008年10月8日 | -0.50% | 1.50% |
2008年10月28日 | -0.50% | 1.00% |
2008年12月17日 | -0.75% | 0.25%(誘導目標0~0.25%) |
利下げが始まった2007年9月は、世界的株安を阻止する措置として緊急利下げが行われました。
現在の米政策金利とは異なる点
- 経済状況
- 利下げ前の政策金利
- 米大統領
- FRBメンバー
利下げの原因がサブプライムローン問題をはじめとするリーマン・ショックにあるので、今回の利下げとは違うことを意識してください。
また利下げ実施前の政策金利も2007年は5.25%、2019年現在は2.50%と2倍ほどの差があります。
そして当時の大統領は、ジョージ・W・ブッシュ大統領ですね。
2008年の大統領はWのついている息子の方
「利下げするべき」と圧力を与えてくるトランプ大統領は、全く違います。
注目すべきは利下げ幅と期間
利上げor利下げと聞くと「0.25%ずつ」がセオリーのように考えてしまいがちですが、過去を見ても「-0.50%・-0.75%」といった数値が目に留まります。
これは元の政策金利の違いもありますが、利下げを開始しても経済状況が良くならないため加速したと捉える方が適格です。
またほぼ1か月~2か月に1度のスパンで行われています。これはFOMC毎に利下げが行われたということですね。
2008年4月から10月まで約半年空いているのは、大きく利下げしたあとの長スパンの経過観察だと考えられます。
利上げの時もそうでしたが、終了時期を考察するときには鈍化の傾向がありますね。しかしその後も1.00%下がっているところも注意したいです。
過去5回の利下げ時のドル円相場の動き
10年以上も前のデータなので、日足チャートではデータが出ないFX会社がほとんどだと思います。
DMMFXでは週足なら過去5回までの利下げまでチャートが確認できました。
利下げが行われた日から翌週にかけて、円安・円高のどちらに動いていたか確認しました。
結果は、円安3回・円高2回ですね。
特に10月28日の利下げ時の変動が大きく、28日の始値は92.61円だったのが利下げ発表後、終値は98.51円まで急騰しています。
利上げ期間を1回と数えてても3/5で円高
利上げ1回ずつの計測ではなく上記のような連続利上げで1回と数えた場合、1989年以降の5回の利下げでは5回中3回が円高ドル安になっています。
焦点:「米利下げで円高」は本当か、過去には円安も 侮れない株高効果 - ロイター
逆に言えば2回は、円安に動いているってことです。
利下げ=ドル売りのイメージが強いですが、思っていた以上に均衡した結果ではありませんでしたか?
もちろん発表前の示唆状況によって、すでに「織り込み済なのか?」どうかでも変動の差はあります。サプライズ発表であれば、10月28日のように急変を生む可能性もありますね。
2019年7月の利下げは織り込み済
そう思うと今月のFOMCで利下げが行われたとしても、すでに誰も驚かない状態になっています。
逆に「利下げが行われなかったら?」サプライズになりますね。
利下げ発表時に「今後も継続的に利下げが行われるのか?」「利下げ幅はどれくらいなのか?」によって、多少の変動はあるものの織り込み済なため急変の心配は少ないです。あとは内容次第ですね。
FXでは先入観を捨てデータをちゃんと見よう!
利下げ観測だけではありません。FXのトレードも先入観・相場勘だけでのトレードは危険です。
「実際は知らないけど、広く言われているから…」5月に株価が下がる「セルインメイ」などは、その代名詞ですよね?
為替相場の世界には、そういったセオリーやアノマリーが多いのも事実です。
でも実際にトレードするのはあなたですから、ちゃんと自分の目でみて確認した情報のみを信じるようにしましょう!
利下げ単体では円安・円高どちらの要因もある
今月のFOMC時のシナリオを考えてみましょう!
- 利下げ実施・幅-0.25%・新しい情報はナシ → 影響小
- 利下げ実施・幅-0.50%・新しい情報はナシ → 円高要因中
- 利下げ実施・幅-0.25%・継続的な利上げ → 円高要因中
- 利下げ実施・幅-0.50%・継続的な利上げ → 円高要因大
- 利下げ実施・幅-0.25%・一時的な利下げ → 円安要因
- 利下げ実施・幅-0.50%・一時的な利下げ → 円高要因小?
- 利下げ見送り → 円安要因
考えられる方向性を出してみましたが、ドル円相場を中~長期で考えた時の結果です。瞬間的・一時的に動く方向を断定している訳ではないので注意してください。
もちろん上記以上の利下げ幅の可能性もありますし、曖昧な声明内容になるかもしれません。
大事なのはある程度の想定を事前にしておくことなので、一応の目安にして今後のトレード計画に役立ててくださいね(๑´ω`๑)♡
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コメント (2)
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1. 匿名
参考になりました!
ありがとうございます -
2. メイ
それはよかったです!
なかなか10年前のデータなので、記事も少なく私も知りたくて作りました(๑´ω`๑)♡