ECBの発表でユーロ円が急落した理由をFX初心者に解説
最終更新日: 2015-9-4
昨夜のユーロ圏、 欧州中銀金融政策発表は、追加緩和こそなかったものの、QE継続をドラギ総裁が示すなど、行動を起こしそうな予兆を市場に与えました。QEプログラム自体は調整しました。
欧州中銀金融政策発表は欧州中央銀行(ECB)がヨーロッパの金融政策の道筋を示すものです。2週間毎に開催されます。その中で月初めのは発表では政策金利が決定されます。そのタイミングでユーロ円、ユーロドルは大きく動くことがあります。
ECB、なんといってもユーロ圏のインフレ&成長率予想が悪化。前回6月より悪くなり、中国経済悪化の影響が入る次回が心配な内容(今回、ECBは8月12日以前のデータで作成)
インフレ予想(前回6月)
- 2015年:0.1%(0.3%)
- 2016年:1.1%、(1.5%)
- 2017年:1.7%(1.8%)
これでは、インフレ目標を達成できません。原油価格・中国問題など、予想外の出来事があったとはいえ、2015年はたったの0.1%のインフレ率。いつマイナスに転落してもおかしくない(T_T)
成長率予想
- 2015年:1.4%(1.5%)
- 2016年:1.7%、(1.9%)
- 2017年:1.8%(2.0%)
成長率予想も引き下げました。次回はさらに、追加緩和圧力が強まるのではないでしょうか。
現在のECBの量的緩和まとめ
現在、行っているECBの量的緩和について内容をまとめてみました。量的緩和を決めたのは2015年1月22日です。
そこからのユーロ/ドルの動きはこんな感じ。量的緩和を実施する前からユーロは大きな下落トレンド。発表後は材料出尽くし感でやや戻しています。
ECBのQE内容
- 資産買入額
毎月 600億ユーロ総額は1兆1,400億ユーロ - 買入れ期間
2015年3月から2016年9月まで。ユーロ圏のインフレ動向によって判断 - 目的と目標
デフレ対策。量的緩和で低インフレのリスクに対応。インフレ率向上が明らかになり、2%を若干下回る水準とするECBの中期的なインフレ目標との整合性が確認できるまで」継続予定。
ECBの思い切った量的緩和は、政策としては頑張ったとの評価が出ています!でも、ダンディーマリオこと、マリオ・ドラギ総裁には可哀そうながら、ギリシャ問題・中国問題・原油下落と超えるべき山がアルプス山脈のように連なっています。(●⁰౪⁰●)ニヤリ
米国が抜けた量的緩和を日本とECBが支えている形。量的緩和は短期的に効果があっても長期的にはダメとの意見もあります。
「いくら、お金をばらまいても価値が薄くなるだけ。それよりも構造改革・人口増加・生産性上昇が必要。それに対して、そんなことは分かっている!現実的に、それが難しいから、緩和で目先の対策を打って、緩やかなインフレを起こすのが先決。」というのがアベノミクスの理論でもあります。
FXで重要なのは、【量的緩和=その通貨は売り】というセオリー。
量的緩和は市場に、お金をばら撒くことですから、今回もECBから出ている追加緩和の話は実現すればユーロ売りになります。
注意:実際に実施する前から売られるので、実施後は、材料出尽くしになることがありますよ。( ・`ω・´)キリッ