世界経済のカギを握る中国人民元の動向から2016年を予想してみた 前編
最終更新日: 2016-1-6
1月4日の為替&株式市場は、中国の景気&株式市場の悪化で世界同時株安となりました。中国経済の危機には2016年も注意が必要ですね。
今日は人民元の値動きを見ておきましょう( ・`ω・´)キリッ
人民元と中国について書きたいことはたくさんありますが、まずは人民元の動きを2回にわけてお伝えします。
CNHを見て人民元の値動きをチェック
人民元市場は中国政府の管理下にあり普通には取引できません。
そのためオフショア市場で取引されている【CNH=オフショア人民元】をいくつかのFX会社は取り扱っています。
オフショア人民元は香港で設立された海外投資家向けの人民元市場で中国政府が認めています。
そのため【CNH】を見て置けば人民元の動きが分かります。ここではCNHを人民元と呼びますね。
ドル円をはじめ、様々な通貨に影響を与える人民元市場の動きを見ておきましょう。
人民元は1人民元=12円前後で動いていましたが、アベノミクスによる円安の影響で20円強まで上昇。
その後2015年に中国経済のバブル崩壊などによる下落トレンド入り。現在は18円前後で動いています。
人民元の国際化は今後も進む
2015年の中国経済は崩壊への第一歩に見える面もあります。一方、人民元の国際化に向けて大きな一歩を示した年でもあるんです(๑´ω`๑)♡
8月11日、人民元は対米ドルの基準値を前日比2%近く切り下げ=通貨安。人民元は米ドルや日本円のように、市場に動きを委ねる変動相場制を取らずに管理変動相場制度です。
そのため実勢レートに比べて人民元は高い・安いという話が出ています。
実は2013年頃にシャドーバンキング問題(影の銀行)や統計数字のごまかし・不動産の不良債権の問題が出てくるまで、人民元は安すぎると言われていました。
- シャドーバンキング問題とは、銀行ではない証券会社やヘッジファンドなどの金融機関が行う金融仲介業務のこと。 影の銀行とも呼ばれる。
特に米国からは人民元は通貨安を維持することで、輸出競争力を維持していてフェアじゃないと散々叩かれていました。
中国の現状は日本がかつて通った道
高度成長からバブル崩壊までの日本にそっくり。高成長を続け世界第二位の経済大国になった日本は、ジャパンアズナンバーワンと言われる程に成長しました。
結果、相対的に米国の地位が低下し製造業の中心は米国から日本に移転。
そのため米国からは常に円高圧力を日本が受けていた時代があったんです。これにより戦後の1ドル=360円から80円まで円高が進みました。
それを今、中国が同じようになぞったんです。通貨安=生産コストが安くなり輸出に有利ですからね。
2013年頃までは、人民元が安すぎるというのが人民元市場の話題でした。
ところが…2013年頃にシャドーバンキング問題が登場してきました。
2010年に中国は過熱した景気を抑制するために金融引き締め策を取り、銀行が融資を行う際に制限を加えました。
そこで成長の果実を知った地方政府や企業は理財商品という投資商品を生み出し、広く投資家から資金を集めて街づくり・インフラ作りを行ったんです。
日本でもバブル期に「いらない箱もの」をたくさん作りましたね。中国も同じく300兆円以上とも言われる不良債権が出来ているのではないかと考えられています( ・`ω・´)キリッ