世界経済のカギを握る中国人民元の動向から2016年を予想してみた 後編
最終更新日: 2016-1-7
中国人民元安と北朝鮮の核実験で円高へ
昨日の人民元の前編記事はこちら↓
昨日の市場は中国人民元の切り下げと北朝鮮水爆実験でリスクオフムード!
中国人民元安と北朝鮮の核実験で119円を割り込み、先ほど117円台まで円高になりました。リスクオフの動きが出ていますね。
小さいながら逆三尊型を形成しているので少し下げ止まるかな(✻´ν✻)
人民元は中心レートを前日より0.22%引き下げ、1ドル=6.5314元と2011年4月以来の低水準に設定しました。
昨日のお話しで書いたように人民元は安すぎるから高くしろという流れでした。
それが今は人民元安=切り下げの方向に動いています。
1月5日に中国人民銀行が人民元買い介入
ロイターでも「中国人民銀行(中央銀行)は5日、国有銀行を通じ人民元買い介入を実施したもよう。」と報じられています。
皆さまご存じのように中国経済は危うくなっています。一方で米国は利上げをした程に好調。
その状態で通貨高にしたら中国経済は持ちません。
シャドーバンキングバブルや株式市場が崩壊して世界経済もただでは済まない事態が起きてしまうでしょう(´×ω×`)
不動産バブルや株式バブルのガス抜きは、日本のバブル時と同じように難しい。
そこである程度の経済成長率を維持するために、人民元の切り下げで競争力を保とうとしているんです。
米国はそこそこ好調ですし日本もアベノミクスで大きく円安にしましたから、人民元安に対してあまり文句も言えません(´;ω;`)
2016年の人民元を予想してみた
上海株は2015年に3000から5000まで一気に上昇とバブルを形成しました。
中国経済がここまで成長した以上、普通の通貨になってもらわないと困ります。
近い将来、国際化&変動相場制に移行していくと思います。
IMFが2016年10月に人民元をSDR(特別引き出し権)に加えることが決まった時はニュースになりました。
アジアインフラ投資銀行・アジアでの中国経済圏を目指すと人民元の保有ニーズや国際化は避けて通れません。
そのためには何といっても変動為替相場への移行をしなければいけません。その準備期間が2016年になるのではないでしょうか( ・`ω・´)キリッ
米国に続いて中国も利上げする可能性
米国が利上げしているため米ドルに対して人民元を固定したければ、中国も利上げしなければいけません。
ところが利上げをすると不動産・株式が下がりやすく、経済危機が起きやすくなります。
利上げしなければ金利差が広がり、人民元は通貨安になりやすい。
必ず安くなるというわけではありませんよ(´×ω×`)
というのが、今起きている人民元安の背景です。
人民元は中国当局に左右されるので、米ドルや日本円に比べて動きが急です。
当局が対ドル中心レートを変更すると一気に動きます。
その時にはドル円も激しく動きますから注意しておいてくださいね( ・`ω・´)キリッ