どうなる?米税制改革、成立までの道のりと日程を解説します
最終更新日: 2017-11-22
まだまだ米税制改革は道半ば
先日11月16日(木)に米下院の本会議で税制改革法案が可決しました。
トランプ大統領は年内の成立を目指していますが「これで終わりじゃないの?」「いつ成立するの?」と思っている人も少なくないのではないでしょうか。
今日は、アメリカの法案成立までの仕組みと税制改革法案成立までの道のりについて解説します!
税制改革の内容についてはこちら↓
アメリカの法案成立までの仕組み
ここまでの道のりも大変でしたが、成立まではまだまだ乗り越えなければいけないことがあります。
まずアメリカの連邦政府は、2つの議会で構成されています。上院と下院ですね。
法案を成立させるためには、両院を通過しなければいけません。そして大統領の署名が必要になります。
法案が成立し法律になるまでの流れ
- 法案が作成される
- 上院・下院の両方、またはどちらかに提出される。
- 上院・下院の専門員が適切な権限を有する委員会に付託する
- 委員会で公聴会を開き、意見をすり合わせる
- 委員会で会議を開き仕上げ作業(マークアップ)に入る→ここで廃案になる可能性もある
- 上院または下院の本会議へ進む→上院または下院の全議員で審議する
- 上院または下院で可決されると、他方の議院に付託される(同時に行われることもある)
- 同じ内容で上院・下院を通過した場合、大統領へ送付される→違う内容だった場合は、両院協議会が任命される
- 両院協議会で合意が得られなければ廃案になる→合意した場合は、法案にそれ以上の手は加えずに採決される
- 協議会で合意した法案が両院で可決された場合、大統領へ送付される
- 大統領が署名するか、議会開催中に何もせず10日が過ぎると法案は成立し法律になる
大まかではありますが、それでもこれだけの過程があります。(小委員会など細かい部分は解りづらくなるので割愛しました)
現在の米税制改革は、6番の途中ですね。ここからが難しいわけです。
解りやすいように図解にしてみました!こちらだと現在ピンクと黄色の間です。
ここから難しいと言ったのは、上院と下院の見解の相違が前から話題になっているからです。
何よりここまで進んできても廃案の可能性もまだあります。廃案でなくても時間がかかるポイントが多いんですよね(´×ω×`)
米上院では10日以内に採決をとる計画
11月20日(月)に税制改革法案の抜本的なテキストが公表されました。共和党の指導部は、公表から10日以内の30日(木)までに採決を目指しています。
実はこの10日というのが異例の早さで、本当は両議院でもっと時間をかけて審議されます。
しかし下院も公表からわずか14日で可決されています。この早すぎる審議も問題視されている理由です(´×ω×`)
来週上院で採決が行われる可能性が高い
今週は米感謝祭があり、休会になります。来週27日(月)に議会が明け、早ければ今月中に採決が行われる可能性がありますね。
上院で可決した場合は、両院協議会で法案が揉まれ擦り合されます。それが12月4日からの週だと予測できます。
かなり強行手段ですが両院協議会で調整後両院へ戻し、改めて可決 → 法案成立という流れがトランプ大統領が理想とする流れです。
これであれば12月11日からの週には、なんとか間に合いそうな日程です。全てスムーズにいった場合ですけどね(´×ω×`)
12月8日に迫る暫定予算の期限
上記の最短パターンでも12月8日(金)に暫定予算いわゆる「つなぎ予算」の期限があります。
これをどうにかしなければ、アメリカは事実上のデフォルト(債務不履行)になります。
デフォルトって何?という方はこちら↓
そう考えると年内ギリギリで成立というのが、一番現実的なスケジュールだと思います。
成立が遅れそうというニュースが出れば、円高ドル安要因。成立の目途が立てば、円安ドル高要因ですね。
今月末から来月へかけて今年のラストスパートをかける大きな判断材料になるので、しっかりとニュースをチェックしましょう(๑´ω`๑)♡
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コメント (2)
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1. 匿名
米国の法案成立の流れ、、、
一度きちんと知りたかったんです!
勉強させて頂きました!
ありがとうございました!(*^-^*)
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2. メイ
コメントありがとうございます(๑´ω`๑)♡
表も細かい部分はカットしているので、実際はもっと複雑な部分があります(´×ω×`)
私たちでも大変そうなのは一目瞭然なので、トランプ陣営は悲鳴をあげてそうですよね><