米国債の逆イールドで景気後退?そもそもイールド・カーブって何?
最終更新日: 2018-12-6
1分でわかるこの記事の内容
アメリカの国債で逆イールドが発生
今どの経済誌を見ても話題になっていますね!
12月3日(月)にアメリカの「3年債利回りが5年債利回りを上回る」という現象が起きました。
さらに5日には、2年債利回りが5年債利回りを上回りました(´×ω×`)
そもそも債券って何?利回りって何?
FX初心者の方は「債利回りって何?」という方が多いと思います。
- 債券とは:国家・公共団体・銀行・会社等が、事業に必要な資金を借り入れるため発行する有価証券のこと。
今回はアメリカが発行している債券のことですね!国が発行しているので、米国債と呼ばれます。
そして債券は、償還期間や利払いの方法によって分類されます。
国家が発行している債券のことを国債と呼ぶ
短期・中期・長期と分けられます。○年物の利月債は、2年・3年・5年・7年・10年と分かれます。
債券は満期時に額面金額である償還金を受け取ることが可能です。
債券には利回りがある
ただ2年~10年持っているだけで、債券購入者にメリットがないと誰も買ってくれません。
そのため債券を選ぶポイントは、利回りにあります。
利子・利率と違うので少しややこしいのですが、債券の場合「利子 + (額面価格 - 購入価格)」=収益になります。
この収益を1年当たりの金額で見て、購入価格で割ったものが利回りになります。
利回りが高いほど、魅力的な債券ということになりますね!そして長期債券になればなるほど、満期までに何が起こるかわかりませんから利回りは高くなる傾向があります。
逆イールドって何?
ここまでで「債券とは何か?利回りとは何か?」がある程度分かったと思います。
そこで今回話題になっている「逆イールド」とは、短期金利が長期金利を上回ってしまう現象のことを言います。(イールドとは利回りのこと)
短期債券を持っている人は嬉しいですが、長期債券を持っている人からすれば「え?リスクをとっているのになぜ?」と不満が出ますよね。
何よりこの状況は、普通ではないんです。通常であれば、上記したように長期になればなるほど利回りは上昇するはずです。
そして逆イールドが発生すると、将来的に金利が下落すると言われています。
またその金利下落が景気後退に影響するとして、不吉な予兆と金融業界では考えられています。
前置きが少し長くなりましたが、本日は米国債の逆イールドがなぜ起きたのか?今後の景気への影響は?などをまとめていきます!
イールド・カーブの正常な状態とは?
逆イールドが異常だというのは、これまでの説明で分かったはずです。
では正常とは、どんな状態を言うのでしょうか?
イールド・カーブは、図で見た方が理解がしやすいです!
正常な状態であれば、短期金利よりも長期金利の方が金利が高いはずなので右上がりのカーブが描かれます。
短期と長期の差が狭くなることをフラット化と呼び、逆に差が広がることをスティーブ化と言います。
フラット化すると逆イールドの恐れが広がります。一般的には短期金利で資金を調達し、長期で債券運用をすることが多くスティーブ化すると利益が増加すると言われています。
逆に金利が反転し、カーブが右下がりになるのが逆イールドになります( ・`ω・´)キリッ
なぜ逆イールドが発生したのか?
普通であれば米国債のイールド・カーブも右上がりの順イールドだったのに、なぜ逆イールドとなってしまったのでしょうか?
その答えは、FRB(米連邦準備制度)が行ってきた利上げにあります。
短期金利は、中央銀行=FRBの金融政策によって決定されます。近年FRBが進めてきた利上げによって短期金利が上昇したんですね。
では、なぜ中期・長期はそれと同様に上昇しなかったのでしょうか?
パウエル議長も気にしている物価上昇が鈍かったのが要因
簡単に言えば、短期ほど長期金利に利上げの影響が出なかったと言えます。
また先日のパウエルFRB議長の発言のように物価の上昇も鈍く、景気の回復も緩やかだったことが大きな要因です。
さらに言えば一番長期である10年債券は、米株の暴落時などにリスク回避で買われる傾向があります。
逆に短期債は利上げ観測によって、長期ほど買われないんです。これによって次第にフラット化が進み、逆イールドに至ったと考えられます。
国債が買われると利回りが低下する理由
逆イールドが発生した理由を見て「あれ?長期が買われるのにフラット化するの?」と思った方もいると思います。
普通であれば為替と同じで、買われれば買われるほど上がりそうなイメージですよね?もちろん価格は上がりますが、その分利回りが下がるんです。
国債は、他の金融商品に比べて償還金があるため比較的安全な金融商品です。
よって経済状況が改善されれば、リスク選考の動きとなり国債は売られる傾向があります。そして他の金利が高い金融商品が買われます。
そうなれば債券価格は下がり、利回りの計算式に当てはめると逆に利回りは上昇します。
逆に国債は買われれば買われるほど、利回りは低下すると覚えておいてください。
本当にアメリカ・世界の景気は後退するのか?
私たちトレーダーにが一番知りたいのは、この逆イールドの動きが今後の経済に影響を及ぼすのか?という点ですよね。
今回の逆イールドの原因が、景気後退を発端としたものでなかったとしても今後アメリカが景気後退に陥る可能性は十分にあります。
一番気になっているのは、パウエルFRB議長が11月辺りから急にハト派に転換したことです。
パウエル議長は利上げに関して、10月まで一貫しタカ派の姿勢を貫いてきました。かなり頼もしいなという印象を持っていました。
しかし11月に入ってから物価の低迷を理由に、利上げに対してハト派な発言が目につきます。
利上げ否定派のトランプ大統領に忖度している?
考えすぎかもしれませんが、利上げ否定派のトランプ大統領に何かを言われたのか?直接的にではないにしろ忖度しているのかも?と勘ぐりたくなります。
米10年債券利回りを見てください。ちょうどパウエル議長のハト派発言が増えてきた当たりから、長期金利は顕著に低下しています。
10月は3.0%を超えていた利回りも現在3.0%を割って、2.92%まで下がっています。利回りが下がっているということは、リスクオフな状態で国債が買われているということですね。
利上げ停止シナリオが景気後退の引き金になりそう
そして現在利上げの争点となっているのが、来年以降に早期打ち切りされるかどうか?です。
直近のパウエル議長の発言では、「中立金利とされる3%を目標としての利上げ」=利上げ早期打ち切りが示唆されています。
アメリカの景気後退は世界経済へも大ダメージ
当初FRBが掲げていた3.5%の政策金利まで届かずに終わる可能性が出てきました。
これは米株価・ドル相場にも大きな影響を与えます。そうなれば更に逆イールドは顕著な形で表れ、景気後退を余儀なくされることでしょう。
もちろんまだ利上げ継続 → NYダウ高値更新のシナリオが残されていない訳ではありませんが、逆イールドになるにはそれなりの理由が存在するということです。
次回FOMC(連邦公開市場委員会)は、12月19日(水)~20日(木)で開催されます。
ここでの発言が今後の利上げや終了時期に大きく影響することが考えられるため、要チェックです!
もちろんそれに先駆けて明日7日(金)に発表される米11月雇用統計も見逃し厳禁ですよ!(✻´ν`✻)
DMMFXでキャッシュバック中
なんとDMMFXで口座開設した人は、ここでしかもらえない私の特製レポートがゲットできます!
レポートには、あまり人には教えたくないテクニックやブログにも書いていない○技も書いてます(๑´ω`๑)♡
もちろん口座開設で「もれなく4,000円」のキャッシュバックも継続中ですよ(๑´ω`๑)♡
この記事を読んだ人はこちらも読んでいます
私がメインで使うDMMFX!最大30万円キャッシュバック中!
コメント (5)
-
1. みけぞう
勉強になります
-
2. 匿名
国家が発行している債券のことを国際と呼ぶ
国債だとおもうが -
3. メイ
コメントありがとうございます!
>みけぞう
そういって頂けるのが一番うれしいです!(✻´ν`✻)
>匿名さん
すいません!すぐ修正致しました!ありがとうございます(๑´ω`๑)♡ -
4. とーく
ホント勉強になります!
ファンダメンタルズは、メイさんの記事だけ見てれば完璧です。
-
5. メイ
>とーくさん
コメントありがとうございます!
いえそんなことはないと思いますよ(´×ω×`)
私も長くなりすぎて書ききれないってことがよくあるので、情報収集は2~3サイトほどを見ておくのがベストだと思います( ・`ω・´)キリッ